一般社団法人     
日本養豚協会(JPPA)
会 長  香川 雅彦

 昨年の豚肉消費は184万トンと引き続き高い需要を維持し、特に、消費の6割を占める家計消費は、年間1世帯当たりの支出が3万5千円・購入量は22㎏と昨年より伸び、牛肉の2万1千円、鶏肉の2万円と比べても、引き続き高い水準となっています。また、卸売価格が比較的堅調に推移する中、豚肉の生産量は89万7千トンと前年並みでした。一方で輸入は94万5千トンでした。

 このような中、家畜伝染病予防法の一部を改正する法律案が国会で成立し、豚熱の選択的殺処分が導入されました。これは、ワクチン接種のもとで、一定期間の移動制限や監視により、他農場への伝播リスクは全頭殺処分と比べて変わらないとの専門家による科学的な評価の結果であり、豚熱発生農家の早期経営再開にも資する画期的な改正であると理解しています。一方、選択的殺処分や、その後の農場管理は、これまで経験のないものであり、個々の経営に不要な負担がなく、円滑に実施されるよう、行政と生産者が一層協力することが重要です。

 その他、2025年度、JPPAは様々な活動を展開しました。

(1)世界各国でアフリカ豚熱や口蹄疫などが流行する中、家畜伝染病予防法の改正により水際防疫を強化

(2)畜産クラスター事業について、「持続性向上タイプ」の創出など要件の見直しと予算の拡大

(3)食肉処理施設整備の補助率を最大3分の2に見直し

(4)いわゆる「令和のコメ騒動」の中で緊急調査を行い、飼料用MA米の拡大を実現、また、2027年度以降の水田政策の見直しに際しては、飼料用米の生産の振興と、安定的な供給の重要性を訴え

(5)11月には青年部会を中心に「俺たちの豚肉を食ってくれ」を開催。また、新たに消費拡大等事業検討プロジェクトチームを立ち上げ、養豚農業に対する国民的理解を深め、消費拡大のみならず、業界全体のさらなるイメージ向上のための事業案を検討。本年度からこれら事業に取り組んでまいります。

 最後に、ブラジルなど南米5か国(メルコスール)との経済連携交渉が開始されると報道されています。メルコスールは世界有数の畜産国であり、我が国への豚肉輸出を、この10年間で急速に伸ばしています。豚肉など重要5品目が聖域として確保されるよう、既に関係者へ説明を開始したところであり、今後とも交渉の推移を注視してまいります。

 JPPAは、生産者が協力して我が国養豚経営の明るい未来を創り上げるため、会員・賛助会員の皆様はもとより、関係する多くの皆様と連携を深め、共に考え、実行してまいります。

2026年6月