豚熱陽性イノシシ注意報 陽性イノシシは「いる」と思って防疫を!

(一社)日本養豚開業獣医師協会の伊藤貢先生((有)あかばね動物クリニック)より、陽性イノシシ地図をいただきました。

11月26日に発表となった74例目の発生農場の周辺は、群馬県内の養豚密集地域で、64例目、71例目、73例目の農場からもほど近い場所にあります。2021年8月~10月までは近隣で豚熱陽性イノシシが発見されていませんでしたが、11月に入って2頭の陽性イノシシが発見されています。

ここからわかることは、県が検査・発表している頭数は、あくまで捕獲できた、あるいは死亡したイノシシであり、すべてを検査ができているわけではないということです。そのため、一時的に陽性イノシシが減っていたとしても、いなくなったと考えるのは早計です。陽性イノシシが発見されたことのある場所では、検査で出ないとしても「陽性イノシシはいる」と考えて、改めてバイオセキュリティを引き締めてください。

また、8月以降、東北地方(山形県・宮城県)での豚熱検査で陽性となるイノシシが急増しています。茨城県や三重県でも陽性の頭数は多く、また県内の地域に拡散しています。10月26日に農水省で行われた「第1回野生イノシシ豚熱対策検討会」では、宮城県・山形県、栃木県・茨城県、三重県・和歌山県、京都府・兵庫県は野生イノシシでの豚熱感染が継続し・拡大している、あるいは継続・拡大する恐れがある地域であると報告されました。危険度の高い地域の生産者の皆さんは、より一層の注意が必要です。

イノシシの情報はHPなどにも掲載されていますが、最新情報を近隣の家保などに確認し、陽性イノシシの動向を把握するよう努めてください。