国産純粋種豚改良協議会 令和元年度総会開催

12 月18 日、JPPA が事務局を務める国産純粋種豚改良協議会の令和元年度総会が、東京都渋谷区の婦選会館多目的ホールにて開催されました。


第三回目を迎えた総会では、星会長並びに農林水産省生産局畜産部畜産振興課の犬塚畜産技術室長から開会の挨拶を頂いた後、平成30 年度の事業実績及び収支決算に関する報告、監査結果の報告、令和元年度事業計画及び収支予算についての説明があり、全会一致で承認されたほか、前年度の総会で承認された「銘柄豚認定検討委員会設置要網」に基づき、銘柄豚認定に関する規則の案が提出され、承認されました。また桑原監事から、10月25日に種豚生産者連絡会として農林水産省局長に対し、「豚コレラに関する特定家畜伝染病防疫指針の一部変更に伴う要望書」を提出、農水大臣にも陳情したことを報告し、「今後、当協議会全体として活動が可能になれば力強いものとなる」とした上で緊急動議として提案され、全会一致で承認され議長預かりとし、今後の要望・内容等は、ワーキンググループで協議し、会員やオブザーバーに要請の可否の意思確認をしていくこととしました。

最後に、独立行政法人家畜改良センターの松本部長にご挨拶を頂き閉会となりました。冒頭の星会長の挨拶では「設立当初から、日本全国の小規模なブリーダーも一緒に日本の種豚改良に貢献してもらい、日本国民の食文化に合った国産豚肉を生産することを大きな目標としてきた。ことしは養豚の歴史の中で稀に見る激動の年となった。来年もこのような状況が続くと思われるが、国産純粋種の改良は養豚がある以上、消費者がいる以上、食文化がある以上、取り組んでいかなければならない。国産純粋種は世界にも類をみない日本独自の豚肉だと信じている。今後も皆様にご協力いただき、未来永劫に繋がる日本の種豚改良に当協議会が尽力できるようお願いしたい」と述べました。来賓の犬塚畜産技術室長からは「改良において産肉は向上、肉質は一定の評価がされているが、繁殖能力は海外より遅れている。CSFのワクチン接種もスタートし種豚・精液の流通制限のため、育種素材の導入や遺伝的能力評価のための血縁ブリッジ構築が従来どおり実施できなくなっている。ただし、この構築について、これまでも長年取り組んできたが、その成果は必ずしも芳しいものとはなっていない。またASFによって遺伝資源である能力の高い種豚がいなくなるリスクもあり、凍結精液等を考えなければならない。その為にこの会でどのように考えているか議論したい。国では優良種豚の導入や種豚能力測定機器の導入補助、また、種豚・精液の円滑な流通化のためのマッチングも団体にお願いをしている。」とのあいさつがありました。
総会終了後に、出席者で意見交換会を実施し、特にCSF関係で種豚及び種豚生産者をどう守るかなど意見が出ました。また、CSFのワクチン接種県や風評被害により種豚生産者の経営が圧迫されている意見がありました。桑原監事は「種豚生産者は生産者全体の1~3%と少なく、声が届きにくい。しかしその生産者が多種多様な日本の豚肉を支えている。日本人好みの豚肉、種豚を守れるよう、種豚についてもっと考えて欲しい。」と意見があり、全国的に種豚の数が足りていないと切実な声がありました。
肉豚生産者は、種豚があれば同じ経営を再開できますが、種豚生産者は一度遺伝子を失えば経営再開は困難であり、全国の肉豚生産にも多くの影響を及ぼします。この会を通じて、国内で種豚を維持・改良することの重要性を周知し、日本で豚肉生産することの必要性を消費者にもアピールしていきたいと思います。
国産純粋種豚改良協議会の現在の会員は生産者、団体及び試験研究機関会員です。
その為、生産から肉質まで様々な議論ができる会となっています。新規の会員及びオブザーバー参加や種豚流通の相談窓口など随時受け付けております。

国産純粋種豚改良協議会事務局(JPPA 事務局担当:湯浅・神長)までお問い合わせください。