国産純粋種豚改良協議会 令和3年度総会開催

12 月23 日、国産純粋種豚改良協議会の令和3年度総会が、婦選会館 1階多目的ホール(東京都渋谷区)にて開催されました。(一部WEB参加)

第5回目を迎えた総会では、有限会社ピッグセンター宝尺の宝尺実正会員並びに農林水産省畜産局畜産振興課の松本畜産技術室長(代読 井川課長補佐)から開会のご挨拶を頂いた後、令和2年度の事業実績及び収支決算に関する報告、監査結果の報告、令和3年度事業計画及び収支予算についての説明があり、全会一致で承認されました。

そのほか、協議会専用データベースシステムの運用開始と協議会遺伝的能力評価、種豚ランキングの公表、LP5値の継続提出の呼びかけ、つなぎ評価の新たな取組提案、銘柄豚認定に関する規則に関する認定料や認定期間等の一部改訂案が提出され、承認されました。また国産純粋種豚改良協議会認定銘柄豚ロゴマーク決定とその利用許諾要領も紹介されました。

最後に、独立行政法人家畜改良センターの犬塚理事よりご挨拶を頂き、閉会となりました。その中で、本日の総会で国産純粋種豚の改良推進のためには遺伝的能力評価を用いることの重要性が再確認された、とお話頂きましたが、今年度第一回目の協議会専用システムを使った遺伝的能力評価と種豚ランキング公表があったことから、評価結果を有効活用することはもちろん、より精度の高いものにしていくためのデータ提出の重要性も改めて認識したことと思います。また、昨今の豚熱や新型コロナウィルスに対し、豚における飼養衛生管理の徹底や人における新しい生活様式の実践を図ることの重要性もお話頂きました。冒頭の宝尺会員の開会ご挨拶にもありましたように、そんな中でも、私達種豚生産者は改良を続け能力の高い種豚生産と遺伝資源の維持管理に努めなくてはなりません。限られた行動範囲の中で、どのように国産純粋種豚の改良・維持管理と利用者拡大を図っていくか、非常に大きい課題ではあります。来賓の松本畜産技術室長からの開会ご挨拶の中で「農林水産省としても豚熱対応は重要な課題と認識しており、さまざまな対策を講じるとともに、全国の種豚生産者の皆様と意見交換を実施し、皆様の抱える課題や取組状況について随時お話を伺っているところでございます。引き続き、お困りの事などございましたら、御相談いただければと存じます。」(代読 井川課長補佐)とお話いただき、私達協議会だけではどうしても対応できない部分は、国の方にも積極的に協力を求めて参ります。

総会終了後には、温暖化に対応した豚の育種手法開発(研究開発事業)について会員への説明とデータ提出協力依頼、昨年度に続き現在の特徴ある肉質を維持しつつ能力向上を目指すための産肉能力検定規程改訂に伴う案件等について意見交換を行いました。

特に産肉能力検定規程改訂については改定内容によっては膨大なデータと特化した専門知識、検証期間も長期にわたって必要になってくることから、現在2回、関連のアンケート調査も行っております。引き続きご協力のほどよろしくお願い致します。

後継者不足が強く言われている養豚業界ですが、実は協議会会員についてはかなり多くの『後継者』が現場で活躍されています。諸先輩方が元気に絶賛活躍中の今、後継者や若い世代の皆さんに秘伝の技術を伝授して頂くと同時に、継続可能、今話題のSDGs養豚産業のリーダーとして、協議会の若い世代に頑張って頂きたいという願いも込め、(仮称)国産純粋種豚改良協議会 青年倶楽部の立ち上げを事務局よりご提案させて頂きました。職人の伝統技とイキの良さが自慢の国産純粋種豚改良協議会づくりのお手伝いを事務局は全力で対応致します!!

銘柄豚認定事業では引き続き国産純粋種豚を使った豚肉の優位性、さらには血統管理の重要性とそれが改良の最初の一歩であることも訴えていきたいと思います。

また、CSFやASFについても、発生から長期間に渡って先の見えない状況に、生産者はとても疲弊しています。種豚及び種豚生産者をどう守るか、また種豚・精液の流通をスムーズに行い、遺伝資源である種豚を守っていくためにも、早急に国と一緒に対策を検討していく必要性があります。

意見交換会の締めとして、静岡県畜産技術研究所中小家畜研究センターの寺田圭氏より、「効果的な改良を進めるにはデータ収集が重要であることを再認識した。最近はファイヤーシステム等の導入もあり、積極的にデータ収集も実践されている。国産純粋種豚の改良推進のためにも、静岡県も積極的に協力していきたい。」とご挨拶を頂きました。データ収集は地道で大変な作業です。しかしその1つ1つが、国産純粋種豚の能力向上を支えています。皆様、今後とも御協力のほど、よろしくお願い致します。

 

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