国産純粋種豚改良協議会 令和5年度総会開催
国産純粋種豚改良協議会 令和5年度総会が、12月26日(火)、R3C会議室セミナルームA(東京都渋谷区)にて開催されました。(一部WEB参加)
第7回目を迎えた総会では、有限会社 星種豚場 星正美協議会会長並びに農林水産省畜産局畜産振興課の葛谷畜産技術室長(畜産振興課新井課長補佐代読)から開会のご挨拶をいただいた後、令和4年度の事業実績及び収支決算に関する報告、監査結果の報告、令和5年度事業計画及び収支予算についての説明があり、全会一致で承認されました。
そのほか、協議会専用データベースシステムによる協議会遺伝的能力評価、種豚ランキングの公表状況と改良推進のための遺伝的能力評価の使い方説明、国産純粋種豚改良協議会認定銘柄豚規則一部改訂を上程し、承認されました。最後に、独立行政法人家畜改良センターの犬塚理事よりご挨拶をいただき、閉会となりました。
総会後の意見交換会では会員からの情報提供として➀農研機構畜産研究部門食肉用家畜研究領域の岡村俊宏氏より、現在JRA事業で取り組んでいる「温暖化に適応した豚育種手法開発事業」について講演がありました。これは協議会会員もデータ提供で開発事業に協力しています。本年度で終了の事業であり、ここ数年の夏季の猛暑や秋冬の温暖な気候を考えると、どのような結果が出たのか大変関心のあるところです。また、②農研機構生物機能利用研究部門の上西博英領域長、岐阜県畜産研究所 養豚・養鶏研究部の鈴木香澄氏、一般社団法人家畜改良事業団の伊藤智仁氏からは、豚抗病性改良DNAマーカーについて講演をいただきました。昨今国内で発生が続いている豚熱をはじめ、養豚はとかく疾病との闘いとも言えます。貴重な遺伝資源である国産純粋種豚を維持するためにも、肉豚生産の生産性向上のためにも、本研究は非常に興味深いものとなっています。既に一般社団法人家畜改良事業団では、このマーカー検査を実施対応しています。検査料ほか、詳しくは一般社団法人家畜改良事業団家畜改良技術研究所遺伝検査部 担当:伊藤氏(電話:027-269-2441)までお問い合わせください。
疾病に強い遺伝子を持つ個体を体格の良さ、繁殖能力、産肉能力、遺伝的能力評価と共に組み合わせて選抜していくことで、子豚の死亡率が減り、離乳頭数が増加すれば経営改善の強みにもなります。※これらの講演資料については事務局までお問い合わせください。
冒頭にご挨拶を頂いた農林水産省葛谷畜産技術室長からは、国際的な潮流となっているSDGsやアニマルウェルフェアへの理解と取り組みへのお願いと、来年度(令和6年度)は豚を含む家畜改良増殖目標の見直しの年であり、協議会としても我が国の国産純粋種豚の能力向上を図るための活発な議論を行い、10年後の豚改良の方向性や養豚業の在り方について意見を求められました。閉会のご挨拶をいただいた独立行政法人家畜改良センター犬塚理事からはアニマルウェルフェアに関連して、家畜改良センターが分娩母豚への巣材提供に関する調査等に取り組んでおり、その成果を既にホームページで公開されている報告をいただきました。家畜改良センターは協議会活動の1つである協議会遺伝的能力評価や種豚ランキング公表を担当していますが、この精度向上を図る為にも協議会内種豚交流を促進していくよう依頼もありました。これについては協議会全体で再度重要課題として取り組み強化を図っていきます。
星会長は「改良は1つ1つの課題をクリアしていかねばならないが、国内における豚熱の発生など大きな問題が多い。大規模ブリーダーも中小ブリーダーも一致団結して、国産純粋種豚の維持改良に取り組んで行くべき。」と話されました。私達協議会は日本国民やバイヤーが喜んでくれるような豚肉生産に取り組んでまいります。
本年度は現在、新規で1名の会員入会がありました。一人でも多くの仲間を増やしていくとともに、皆様、協議会に益々のお力添えをよろしくお願いいたします。
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