豚熱陽性イノシシ注意報 山口県の陽性イノシシ移動予測

(一社)日本養豚開業獣医師協会の伊藤貢先生より、最新の陽性イノシシ地図をいただきました。

3月に豚熱陽性イノシシが山口県岩国市で発見され、陽性イノシシの発見地点の最西端が大きく移動しました。その後の検査で、山口県内の陽性イノシシの発見頭数は15頭に及んでいます(4月20日現在)。今後のイノシシの移動スピードを、最も拡散が遅かった愛知県の数値である1か月当たり5.6km拡散した場合と、拡散の早い茨城県・福島県の数値である1か月当たり15.2km拡散した場合について、いつ下関市に到達時期するかを予測したものになっています。

拡散スピードが遅い場合には下関への到達時期は2023年の10月9日で、約1年半後と予測されます。一方、拡散スピードが最も速い場合には、2022年の10月16日と、約半年後には到達する予測となっています。

前述のとおり、山口県では3月の発生以降27頭のイノシシの検査を行い、15頭が陽性で陽性率は50%を超えており予断を許さない状況です。今後も陽性イノシシの発生状況を注視していくことが重要です。また、山口県での発生は、約300km離れたウイルスのジャンプがあり、おそらくは人や物を介している可能性が高くあります。ウイルスの遺伝子解析の結果、紀伊半島東部で確認されているウイルスと遺伝的に近縁であることが確認されており、兵庫県よりさらに遠い地域から運ばれてきた可能性が示唆されています。こうしたジャンプが今後起きないとは限りません。

特にワクチンを打っていない九州の農場では、今のうちにバイオセキュリティの見直しをお願いしたいと思います。