熊本県立農業高等学校と淋種豚場の取り組みをご紹介

デュロック純粋肉豚が繋ぐ未来の養豚への懸け橋
~熊本県立農業高等学校と淋種豚場の取り組みをご紹介~

(写真:熊本県球磨村のブリーダー淋博道さんと熊本県立熊本農業高等学校の生徒さん)

熊本県には、「あか牛」、「天草大王」と牛や鶏は有名な独自ブランドがありますが、豚についてはまだまだ全国的に知られていない。そんななか、熊本県立農業高等学校では1年ほど前から、豚の熊本県産農林水産物ブランドとして「くまもとの赤」の登録を目指して頑張っています。
「くまもとの赤」は、デュロック種純粋種で生産する豚肉です。デュロック種は肉質が良く、我が国でも肉豚生産の止め雄として多く利用されたり、純粋の豚肉生産も徐々に増えています。(お隣の国韓国でも、デュロック種純粋の豚肉が最近、注目を浴びているとのことです。)しかし、産子数が少なく繁殖が難しいところが課題です。

そこで、熊本農業高等学校では同じ熊本県球磨郡球磨村で種豚生産を行っている、淋種豚場からデュロック種の種豚を導入し、たびたび農場を訪問し、繁殖能力をあげるための秘訣、飼料、肥育方法等勉強しています。淋種豚場の淋博道さん(69)は県内でも数少ない種豚生産を個人で営んでおり、ご自身もデュロック種純粋種の豚肉「一勝地赤豚」※1を生産しています。
淋さんの農場では、14頭近くの産子があるのに対し、熊本農業高等学校の実績は6頭前後。また、生徒のなかには昨年12月、実際に淋さん宅に5日間寝泊まりし、種豚と肉豚の選別法も学びました。「淋さんは、種豚の選抜を爪や肢蹄を観察して行っているが、この見極めは経験を積まないと非常に難しい」と話しています。

淋さんは「餌の配合や飼養管理は本来は秘密だけれど、若い高校生たちが引き継いでくれるとうれしい。」とのこと。
「同じ種豚を使っていて、何が違うのか。もっと淋さんからいろんなことを学びたい。」と熊本農業高等学校の生徒は非常に積極的に取組んでいます。熊本の二大あか豚として全国に名を馳せる日が来ることを楽しみにしています。

日本養豚協会では未来の種豚改良後継者育成プロジェクトを指導しました。当協会から職員がお邪魔して、種から作る喜びと養豚農業に関心を持ってもらうための取り組みです。令和5年度は全国4か所の農業高校で講習会を実施しました。開催ご希望の方は事務局 湯浅(ゆあさ)まで御連絡ください。

※1淋さんの生産する一勝地赤豚は、国産純粋種豚改良協議会認定銘柄豚の第1号認定を取得しています。