【会員News】福島県 町特産の桃と地元日本酒で極上の国産豚肉を生産

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町特産の桃と地元の日本酒で極上の国産豚肉を生産

福島県伊達郡桑折町では、商工業者が『ふるさとエール桑折』という地域おこし団体を作っていますが、その活動のひとつとして、特産品の桃を給与して町のブランド豚を育成することになりました。町内で養豚場を運営する『しまざき牧場』で2018年度から10頭程度の試験飼育を開始し、町内でのイベントで試食をしたところ「臭みを感じない」「軟らかくて食べやすい」と好評だったそうです。

桃の葉に含まれるコラーゲンの成分は肉の食味向上が見込まれるほか、果実の甘みによる豚の食欲増進効果が期待されます。試験の結果、効率性なども考え粉末にして餌に混ぜ、出荷前2ヶ月間給与。また地元の酒米と水で作られた『辛口桑折』の酒かすはたんぱく質やビタミン、ミネラルが豊富で肉を柔らかくする効果も期待されます。今年度は肉の成分分析や桃を粉末にする機器整備などの準備を進め、年間1,000頭出荷を目指して来年度は本格生産に取り組む予定です。『ふるさとエール桑折』が桃の粉末を用意、飼育は『しまざき牧場』が担い、出荷後は『ふるさとエール桑折』が買い取り、地元の飲食店、精肉店に料理・販売してもらう仕組みとなっており、地域活性化を目指します。現在ブランド名を検討中です。

母親が近隣の伊達市生まれという縁もある『しまざき牧場』の嶋崎裕吉社長は、「ブランド豚の生産を通じて地域に貢献する」と全面的に協力体制です。桑折町の桃は「献上桃」として知られており、桃を使った独自の特産品開発をということで、今回のブランド豚肉生産に至りました。新型コロナウイルス感染症や豚熱など、養豚をめぐる状況は決して明るい話題ばかりではありませんが、地域おこしに養豚産業を取り上げてもらい、地域一丸となって生産を進めていく取り組みというのもひとつの新しい、しかし実は先代の生産者が取り組んできた地域一体化養豚産業なのかもしれません。
【画像 福島民報2020年8月10日掲載記事より(無断転載禁ず)】